「能・狂言」カテゴリーアーカイブ

檀風:つづき



以前にもご紹介したワキ方が活躍する能「檀風」のお話のつづきです。

前回のお話→http://churi.pinoko.jp/nameko/?p=59

「東京では昭和48年に上演されて以来40年ぶりという稀曲中の稀曲」だそうで。これは絶対に見逃せない!!!もちろんワタクシは観に参りますわよ。後は当日まで体調を整えておくだけです(気合い入ってます 笑)

チケットもまだ入手可能とのことなので、観てみたい方はぜひ国立能楽堂までお運びくださいませ(次はいつ観られるかわかりませんヨ~)。

チラシの写真は誰なんだろう~と思っていましたが、人間国宝・宝生閑氏のお父様、宝生弥一氏だそうです。お声は貴重音源で拝聴したことがありますが、お写真ですがご尊顔を拝するのは初めてでございます。威風堂堂たる御姿でございますねえ~(*´▽`*)

檀風:チラシ裏面から

昨日ご紹介した「下掛宝生流 能の会」のチラシ裏面から。

演目「檀風」について。解説によると、処刑の場面があったり、親子の恩愛や敵討ちなどが描かれているそうで、ストーリー的にもかなり面白そう。文楽、歌舞伎がお好きな人にもウケそうなテーマです。(いかがですか?そこの文楽ファンのお友達!笑)

能にはファンタジー能とドラマチック能があると思うんですけど、これは劇的要素の強いドラマチック能ですね。やはりワキ方が主役だから、台詞で聴かせるシーンが多いのかしら?皆様方の熱演が期待されます!

「めったに上演されない稀曲」「脇方の重要な秘事」
レアものに弱いワタクシ、ここにもそそられておりますw

能の他に素謡、仕舞、狂言もありますが、出演者を見ておりますと・・・アッ!ワキ方の宝生閑さま始め、4人も人間国宝がおられます!地味に豪華キャストですぅ(*´▽`*)

danpu99

新春名作狂言の会

新春名作狂言の会を観て参りました。
能楽堂ではなく、新宿文化センター大ホールという大きな会場で毎年やっています。今年で何と16回目なんですね!
2階席までびっしり埋まってました。私は1階席前から6列目という罰当たりなほどの良いお席。能楽堂で観るくらいの距離です。2階席だと声はなんとか聞こえるでしょうが、オペラグラスが必要ですね。

和泉流の野村万作家(東京)、大蔵流の茂山千五郎家(京都)のコラボレーション。「蚊相撲(かずもう)」(大蔵流)、「柑子(こうじ)」(和泉流)、「茸(くさびら)」(和泉流)と良演目です。

狂言の前に恒例のトークショーがありました。
最初に茂山正邦さんが一人でお出ましになり「蚊相撲」の解説。観客の反応が、あれあれ?萬斎様はー?という雰囲気を露骨に呈していたのか、正邦さんが「そうですよね、早くのぼう様に会いたいですよね?」と気を遣ったりして。いえいえ正邦さんの京都弁、もっと聞いていたかったですよ~。

そして萬斎さま、もったいぶってご登場(笑)
その後は二人のトーク(漫才?)です。東西の言葉の違いの話やら何やらあって(あんまり狂言に関係ない、ただの世間話ぽかった 笑) その後「雪山(ゆきやま)」という曲の小舞謡を二人同時に舞って謡うというコラボ!流派が違うので当然、節回しや舞の型が違ったり、同じところもあったり。謡がずれたり不協和音を奏でるのも、これまたご愛敬。なかなか面白い試みでした。舞は最初は全然違っていましたが、途中からはほぼ一緒でしたね~。

そして、正邦さんは次の「蚊相撲」の出演準備のため、いったん楽屋裏に引っ込みます。で、萬斎さまが一人でトークとなったのですが、「柑子」「茸」の解説の他、装束や着物のお話など。着付けは5分でOKとか、補正をするのに綿入れを着ているとか。萬斎さまは細っこいので綿入れの下にさらにチョッキを着たりしているそうです。チョッキ!昭和なボキャですね(笑)

さて、演目の方ですが、「蚊相撲」と「茸」は、見れば誰でも笑えるわかりやすい人気演目です。中でも「茸」はキノコの精がたくさん出てきて、動きも面白く、現代のコントみたいにドタバタしていて、かなり笑えます(^▽^)

あらすじ:屋敷に人間ほど大きいキノコが生えてきて取っても取ってもなくならず困っている者が、山伏に法力でキノコを退治するよう依頼するが、山伏が祈祷してもキノコがなくなるどころかますます増えていき、終いには二人にイタズラしたりし始め・・。

キノコが舞台上を歩き回るのですが、背筋を伸ばしたままお尻が床につきそうなぐらい腰を落として(つまり姿勢良くしゃがんで)つま先歩きで素速く移動するのです!これは体力がいるなあ~。萬斎さまは山伏役だったので、体力温存です(笑)

いろんな種類のキノコが出てきてとても可愛かったです。今回は能舞台でないので、客席すぐ横の舞台袖からもキノコが出てきたりして(まさに神出鬼没な演出!)前方左端にいた私は至近距離でキノコが疾走するのを見られて幸運でした♪

よく上演される演目ですので(海外公演でもよく上演される:萬斎さま談)ぜひ一度ごらんになってみてくださいな!

さて、昨今、体調不良で地方公演をいくつか休演なさっていた万作さまですが、今回は予定通り「柑子」に出演されました。とりあえずお元気そうなご様子に本当に安堵いたしました~(*´-д-)フゥ-3 お歳もお歳ですからくれぐれもご無理なさらず、末永く良いお舞台を拝見したいものです。

「柑子」は15分足らずの小品ですが、なかなか小洒落た曲です。掛ことば(ダジャレですね)や平家物語の引用などもあり、楽しむにはちょっとした教養が必要な作品です。まあ、今回は萬斎さまの事前の解説があったため、教養のないワタクシでも全く問題なし!(笑)

「蚊相撲」は蚊の精が出てきて人間をだまして血を吸おうとします。でも人間も途中でアイツは蚊に違いないと気づいて対抗し・・。
蚊の精がとてもユーモラスで楽しい作品です。大蔵流の狂言、最近は山本東次郎家ばかり観ていて、久々に茂山家を観ました。茂山千五郎家は自らの芸をお豆腐狂言と称していて、親しみやすさがウリです。同じ流派なのに芸風が全く違う!東次郎ファンの私ですが、茂山家もまたえ~な~と思ってしまったのでした。

kusabira
今回のイメージ写真。亡父と今は中学生になった姪がキノコ採りに行った時(10年前)のとても良い写真があったので使用しました。ま、キノコつながりってことで!(笑)

檀風:発表!

お能を観に行く時はだいたい、好きな演目や演者(特にシテ)を選んで観に行きます。同じおシテの舞台を拝見できるのは年に1回か2回ぐらいなもんです。しかし、選ぶ選ばないに関わらず、能楽堂でちょくちょく会ってしまう方々がいます。それはワキ方の皆さん!なぜならば、彼らは能には欠かせない存在にも関わらず、とーっても数が少ないからなのです。
ワキ方の最大流派は下掛宝生流です。それでも全国で26人しかいません(能楽協会に登録されている正会員の人数。ワタクシ調べ)。特に東京ではこの流派がワキ方のほとんどを占めています。
しょっちゅう能を観に行っていると、同じおワキに何度も遭遇し、結果的におシテよりもよく見ちゃってるため、なんだか勝手に知り合いみたいな感覚になってます。アラ、またお会いしましたね、みたいな(笑)(アチラは知らん~という感じでしょうケド 笑)

で、その下掛宝生流が主催する公演が3月17日に国立能楽堂であります(これが言いたかった!)。「檀風(だんぷう)」という曲が上演されます。ワキが活躍する演目らしいですよ!これは見逃せない!もちろん私も観に行きます(当然デショ?)。
ご興味がある方は、ぜひぜひお出かけくださいませ。まだ、良いお席が残っているようですよ♪ チケットの取り方がわからない方は、私に言っていただければお教えしますです!
danpu0

張良

本日は観世能楽堂でお能を観てきました。観世流シテ方の松木千俊さんの独立二十五周年記念の会ということで、ほぼ満席、晴れ着の女性も多くとても華々しい雰囲気でした。

勝ち戦の武将が豪快に舞う「田村」も、涙なしには観られない「隅田川」も、我らが萬斎さまの「伊文字」も、すべて良かったですが、私の今回の一番のお目当ては何と言っても「張良(ちょうりょう)」なんです!
「張良」はお能の中では珍しい、ワキが大活躍する演目です。ワキ方の重い習い物(演じるのに特別の許可が必要な演目)とされています。否が応でも期待が高まりますね!

ざっくりしたあらすじ:
黄石公(=シテ)が、ほぅらこれを取ってこい、取ってこられたら兵法の奥義を伝授するぞ、と沓(くつ)を脱ぎ川に投げ落とすと、張良(=ワキ)が川に入り激流にもまれて沓を取ろうと悪戦苦闘するが、そこに突如現れた龍神(=ツレ)が沓を奪い取ってしまった。しかし、張良は剣を抜き果敢に戦いを挑んで龍神から沓を奪い返し、めでたく兵法の奥義を伝授される。
※黄石公=秦代中国の兵法の祖、張良=後に劉邦に仕えた秦代~漢代の軍師

この激流にもまれて沓を取ろうとする場面のワキの動きが、通常の能では見られないダイナミックな型の連続です。身体を大きく反って回転したり、つま先立ちで横歩きしたり(普段は摺り足なのに!)、テンポ良くスピーディに展開します。とてもエキサイティングなこの場面は、この曲一番の見どころとなります。

黄石公が沓を川に落とす場面は、実際には黄石公が沓を脱ぐのではなく、後見が後ろから沓を舞台前方に投げます。ここがちょっとした緊張の場面。舞台から落ちないように投げなくてはなりません。で、今日はもう少しで舞台から落ちるんじゃないかというギリギリの端っこに着地しました!

前回、張良を観た時も舞台の端っこに着地して、投げた後見が「アッ!!」という表情をしたのが見えたのですが、今回はおシテさんの蔭になって投げた瞬間の後見さんの表情は見えず。しかし、後見座に下がった後の平然とした表情を拝見するに、ふふん、オレのコントロールどんなもんだい!という自信にすらあふれて見えました(笑)実際、舞台の真ん中などに落ちてしまったら、張良が動きにくくてしょうがないでしょうから、ぎり端っこに落とすのがベストなんでしょうね!

今回、張良を演じられた村瀬提さんは福王流のワキ方です。しゅっとしたイケメン能楽師さんでしたね(笑)福王流というのは人数がとても少なく、東京には数人しかいないと聞いたことがあります。流派による違いというのは(張良をそんなに観たことがないこともあり)よくわかりませんでしたが、流派の芸を今後につないでいって欲しいですね~。

今日は後ろのオバチャンたちがずーっとおしゃべりしたり何やらゴソゴソしていてなかなか集中できなかったのですが(私もまだまだ鍛錬が足りませぬ・・)、張良を観たらスカッとしてイヤなこと全部忘れてしまいましたよ(*´▽`*)

※写真はイメージです!沓はこんなのでなく中国風のでしたよ。大中に売ってそうな(笑)

choryo

お稽古日記ー仕舞も始めました

今年初のお稽古日記。年も明けたし、新たな気持ちで、新しいことに挑戦だ!

■謡
「今回は拍合です。前回の拍不合の規則はいったん忘れてくださいね」と先生に言われ・・、前々回に拍合をやっているんですけど、もうすっかりその規則忘れてしまっています(汗) 物覚えの悪さ天下一品(-_-;) 何となく謡えていたのは耳コピーと暗譜のおかげだったのか。再度、記号とルールの整理をば・・と赤ペン先生ごとく謡本に記入して復習です。

■仕舞
今月から仕舞のお稽古を始めました\(^_^)/ \ワーイ/
他のお弟子さんのお稽古をある程度様子見してからやるかどうか決めようと思ってたんですけど、見る機会が巡ってこないうちに、まぁとにかく始めてみれば何とかなりますかね、とお気楽に開始宣言しちゃいました。
そして始めてしまってから、他のお弟子さんのお稽古をようやく見ることができたのですが、うぅ~なんかものすご~く難しそう・・。自分にできるのだろうか?とちょっと不安になりましたが、とにかく頑張ってみますよ!

初回はお作法のお稽古から。舞い始める前・舞い終わった後の歩き方や構え、扇の開き方・閉じ方。あとは能の歩き方を少し。舞う前から美しく!,゜.:。+゜とのご指導です。和服の着付け用に買った姿見、仕舞の練習にも使うことにしよう。 次に能を観に行くときは、仕舞のお作法を特に凝視してしまうと思いますw

「養老」という曲の舞を習います。先生に見本で舞っていただきました。プロの舞を至近距離で拝見できるのもお稽古する者の特権。勉強のために動画を撮らせていただきました。秘蔵映像として一人で楽しみますよ♪・・もとい、よく拝見して勉強いたしますよ~(@^▽^@)

能の動きは、以前習っていたベリーダンス(辞めたわけではない、休んでるだけ・・のつもり)や先日温泉旅館で友達にちょこっと教わったバレエとは全く違う動きですよねー。特にバレエとは真逆な感じです。でも、姿勢を良く保つ必要があるのが踊り系は皆共通しています。普段、姿勢が悪くなりがちな仕事をしているので、これで姿勢を正したいと思いますわ(*´▽`*)

keiko4

野村狂言座

今年初の能楽堂、昨日、狂言の会に行って参りました。
野村万作さまが定期的に行っている「野村狂言座」。演目は「鍋八撥」「素袍落」「業平餅」狂言のみ三番で解説つき。それと素囃子「男舞」。もちろん萬斎さまもご出演です♡

会場は少々、女子率高めな感じ(年齢問わず)? 狂言の会だからというのもあるかも。

そうそう、私の母も萬斎さまを大のお気に入りで、正月に帰省したときも萬斎イイ、萬斎オモシロイと連発してました。母は狂言の舞台を一度も観たことが無いのです。無いというのに何故に好き?テレビの「ぴったんこカンカン」で安住アナに狂言を教えるところを観て好きになったそうで。なるほどー。今度東京に遊びに来た時には、ぜひホンモノの狂言の舞台を見せてあげたいと思います。

正月のお能といえば「翁」でしょうが(もちろん「翁」もこれから観に行きますけどー)狂言の会で笑い初めするのも、縁起が良いですね~。狂言のみ、というのも気楽でいいです。予習も要らないし。お正月ということでおめでたい演目もあり、気持ちよく終わる作品ばかりでとても楽しかったです♪

「業平餅」は平安時代の歌人・在原業平が主人公。業平役は萬斎さまでした。最近、萬斎さまを見る時は、間狂言(能の一部として演じる狂言)か、頭の回転が速く悪知恵が働いたりいたずらをしかけたりするような役ばかりだったので、今回のちょっとのほほ~んとしてアホっぽい(笑)業平の役は、また全然違った味が出ていてなかなか面白かったですよ。

そして、万作さまの可愛らしさといったら・・!あんなに可愛らしい82歳がいるものでしょうか!?「業平餅」では、業平に醜女をおしつけられる傘持ち役を演じましたが、二人のおとぼけコントがもう秀逸!二人とも最初はその娘の顔も見ずに嫁にもらおうとするのですが、娘の顔を見た瞬間の萬斎さまの驚愕の様子(演技っぽくなく素に見えた 笑)、そして、万作さまの思いっきり腰を抜かす演技(本当に腰が抜けてしまったのではないかと心配になりました・・(^_^;))。もう会場、大爆笑です!そして最後は色男の業平が押しの強い醜女にすっかり惚れられて追いかけられて終わるお約束のパターン(笑)

不細工な女性を笑い物にする作品ではありますが、狂言に出てくる女性は強くてたくましいので、全くイヤな感じはいたしません。色男親子は、実際にもそういうこと過去にあったかもしれませんネ(笑)

さて、近頃はイメージ写真の作成にはまっていたのですが、正月ボケか、写真のネタがすぐに思いつかなかったので、今回はイラストを描いてみましたよ。「業平餅」の主人公、在原業平です。少女漫画風(笑)
今回、席が最後列で、萬斎さまのお顔が良く見えませんでしたので、イラストはあくまでイメージです!!
narihiramochi

鷹姫

本年の観能納めは、イエーツ原作、新作能「鷹姫」でございました(ホントに今年はこれで最後です、お名残惜しゅう~)。

この演目を観るのはおそらく十数年ぶりで、観る前は非常にワクワクしておりましたが、観終わっての感想は、もちろんとても良かったのですが、やはり初めて観た時ほどのインパクトはなかったです。ちと期待が大きすぎたのカモ・・(^_^;)

しかしながら、後から反芻して一つ一つ思い出してみるとやはりすごい作品だと思いました。

初めて観たのがいつだったか誰が出演していたか忘れてしまいました。観る前は「新作能?フフン、そんなの面白いのかね?」と生意気にも上から目線だったのですが(なんて恐れ多い・・)、観た後は、これは能と言うより完成された新しい演劇だと非常に深い感銘を受けたのを覚えています。

「鷹姫」は新作能といっても初演が1967年で、これまで何度となく上演されているので、もはや定番作品と言えるでしょう。

今回の配役は、「鷹姫」友枝昭世、「空賦麟」山本東次郎、「老人」梅若玄祥、「岩」その他大ぜい(略してゴメン 笑)
友枝さんは喜多流、東次郎さんは大蔵流(狂言)、梅若さんは観世流でして、流派を超えた共演です。

そういや、友枝さんと東次郎さんは、先日観た小原御幸でもご一緒でした。お二人とも人間国宝です。ゴージャス共演アゲイン!

ちなみに、東次郎さんは、私が日本一愛らしいと思っている能楽師さんです♡

75歳の東次郎さんが若者 空賦麟(クーフーリン)を熱演、これがすごく良かったです。それにしても個性強すぎw どうみても東次郎以外の何者でもないクーフーリン(笑)

友枝さんは、本当に鳥のように華麗に舞っていました。鷹というより鶴か白鳥のような美しさです。先日の小原御幸とは対照的に動き速い速い!本当に72歳ですか!?(笑)

梅若さんは老人の役。呪縛に囚われ、あげくに霊になっちゃった老人を好演。梅若六郎玄祥の名で演出も手がけています。新作能に意欲的なお方。

「鷹姫」では、「岩」という合唱隊がいわゆる地謡にあたると思うのですが、本来の能のように大人しく座ってなくて歩いたり動いたりします。 全員、半仮面をつけていて、もう誰が誰だかわかりません(笑) 印を結ぶなど、通常の能では見られない面白い所作もありまして、この「岩」の演技が「鷹姫」を特徴付けているとも言えます。

開演前後に能舞台や客席の照明を落としたり、上演中も客席の照明はいつもより暗めとなっていて、その辺りは現代劇のような感じです。開演18時でしたが、実際に始まったのは18時10分過ぎで、その10分間を待つ薄暗い観客席は異様な静寂に包まれていました。

従来の能の形式に囚われない新しい試みを取り入れて作られ、数々の才能ある能楽師や関係者が携わり、改作を重ねて40年以上に渡り上演されてきたこの作品が、完成度の高い傑作であることは間違いありません。

「鷹姫」作者の横道萬里雄氏が今年、お亡くなりになったということで、今回は追悼公演と言ってもよいかもしれません。豪華キャストのこの舞台を拝見し、年末最後の良い締めくくりとなりました。

来年もたくさんお能を観まくるよ!! それでは皆さま、よいお年をお迎えください!

takahime
※写真はまるっきりイメージです(笑) 劇中の「岩」にちなみ、我が地元、北海道は某海岸の奇岩「三本杉」の写真を使用。だんだんいいかげんになってゆくな~(苦笑)

喜多六平太記念能楽堂「二人の会」

日曜日に、喜多六平太記念能楽堂で「二人の会」を観てきました。
前々から一度観に行きたいと思っていたのですが、今回が最終回ということで、急遽チケットを入手しました。今回、初めて着物で能楽堂に行きましたよ♪

狂言『大黒連歌』
大好きな山本東次郎さんがシテで、きらびやかな装束に身を包んだ大黒さまが縁起を語り舞を舞う楽しい曲でした。爆笑するところはないんですけど、人間国宝ともなると、このように味わいのある演目がよく似合います。
舞の時に、半回転ジャンプを三連続!とても75歳とは思えません!

能『小原御幸』
あらすじ:平家滅亡の折り、安徳天皇とともに入水したが助けられ、大原の寂光院でひっそりと暮らしていた建礼門院は、ある日、後白河法皇の御幸を受け、乞われるまま平家一門の西海での苦しみの有様を語る。

舞は全くなく、動きもほとんどなく、謡がメインの曲でした。お能が初めての人にはちと辛いかもしれません。

謡本持参のお客さんがいつもより多めです。
また、今回は謡曲集と思われる活字本のコピーをお持ちのお客さんもたくさんお見かけしました。この手の観客は、能を研究されている方、日本文学を勉強されている学生さん、あとは能マニアです(笑)

私も以前は謡曲集の詞章を予習して持って行ってたんですが、最近はあらすじが頭に入っていれば特に準備することもなく・・。でも今回は持参して詞章を味わった方が良かったかなぁと思いました。時々、隣のおじいさんの謡本をチラ見してたりしましたが(笑)

そのおじいさんが、謡本をめくったり、コンビニ袋から飴を出したり、水を飲んだり、その度に結構大きな音を立てていて、斜め前で詞章のコピー片手に熱心にメモを取っていたおじさんが、何度も後ろを振り返って忌々しそうにおじいさんを一睨みするのでした。
そういうのって気になり始めると止まらないんですよね。わかりますわかります。

でも私は案外おじいさんの立てる音は気にならなかったんですよね。むしろ風邪をひいていて咳が出そうになるのを抑えるのに必死になっていたので、残念ながらあまり集中できず・・・。あぁ~もったいない・・。

次回、この演目を観る機会があれば、詞章持参で行こうと思います。
でも、この配役の組合せでの小原御幸はたぶん二度とないんですよね・・・。
本当に能の舞台は一期一会であります。

futarinokai

金春流「道成寺」斜入

konparu_dojoji
※写真はあくまでイメージです(笑)これは道成寺の鐘ではありませんw あと、後シテが蛇なので・・南国風のヘビですがw

道成寺を観てきました。(一昨日ですが)

久々に金春流の舞台を観るのでとても楽しみにしてたのですが、期待通りの素晴らしさでした。

先日、観世流の道成寺を観たばかりで、それも大変良かったのですが、やはり流派の違いでいろんなとこが違って面白いですねぇ。

観世流では曲が始まる前に後見が鐘を運んで設置しますが、金春流では間狂言が鐘を運んで吊すやり方でそれ自体が物語の一部になっていました。(上掛かりの流派は前者、下掛かりでは後者となるらしい)

それから今回は鐘入りがちょっと特殊な入り方で、普通はシテが鐘の中に入って飛び上がると同時に鐘が落ちるのですが、今回のは鐘の外に手を当てて斜めに飛び込んで宙に浮いた瞬間、鐘が落ちました。すぅっと鐘の中に消え入る感じで完璧に決まってました!おぉーー!って感じ。見所からも拍手が起こってましたよ。

鐘入りで拍手って今までにもあったろうか?私はちょっと違和感があったんだけど、結構あるのかな??

この入り方は「斜入」というらしく、金春流の中でも桜間家だけのもの?だと読んだことがあります。いやぁ、今回、観に行って本当に良かったですね。

乱拍子の緊迫感は、どの流派でも毎回すごいです。今回はおよそ30分間でした。観てる方も咳一つするのも憚られるあの異様な雰囲気。おシテさんはもちろんですが、小鼓方大活躍です。酸欠にならないのだろうか~と心配になってまうほどの熱演。

道成寺は観客にとっても面白く人気がある演目ですが、とりわけ能楽師さんにとっては特別な曲で、道成寺を披く(初演する)ことは、能楽師として一人前と認められた証であるのだそうです。道成寺の舞台の何やら厳粛で物々しい雰囲気というのはそこから来るのかなと思います。

道成寺を披く一人の若き能楽師さんのために、お師匠さんも、他のお弟子さんも、流派のお家元も、みんな一丸となって、この日の成功のために、入念に準備し、汗を流すのですよね。舞台が成功したあかつきには、素晴らしい一体感が生まれているのではないでしょうか。

このように能楽師さんにとって人生で数回しかないであろう大切な節目の日に立ち会えて時間を共有できることを一観客としてたいへんに幸せに思うのでした。

また観に行こうっと♪

※間狂言が萬斎さまでしたが、最近しつこくて飽きられそうなので今日はそのネタはなし!(爆)