能と組踊のコラボ企画公演「能の五番 朝薫の五番」

横浜能楽堂で能と組踊のコラボ企画公演「能の五番 朝薫の五番」を拝見して参りました。5年間に渡りそれぞれ関連する演目を一つずつ上演するという企画。今年でもう4回目なんですね〜。このような面白い企画があることは初めて知りました。
今回の演目は観世流の能「放下僧」と組踊「二童敵討」どちらも兄弟が親の敵を討つお話です。
能「放下僧」は宝生流で先週観たばかりで、そんなにメジャーな曲でもないと思うので、10日も空けずに二度も観るなんてなかなかレアなことでした。
観世も宝生もどちらも甲乙付けがたく面白かったんですが、観世流の方が仇討ちを成し遂げたあとの「やったぜ!」感が強かった気がします(笑)
組踊とは琉球王朝時代に生まれた琉球の歌舞劇で、これまでテレビや舞台でダイジェスト的に一部分観ることはありましたが、まるっと一番観たのは初めてな気がします。
演者は化粧をしていました(男性も)。衣装も色鮮やかでとても美しいです。女性だけでなく男性の衣装にも紅色が多用されていました。足袋にも赤い色が使われていました。
音楽は、笛、箏、三線、胡弓、太鼓。三線の方は歌も歌っていました。
演者は琉球言葉のセリフを発しますが、旋律と抑揚があります。このあたりは能によく似ています。
少年兄弟が敵を油断させるために揃って踊る場面は、美しすぎてうっとりしてしまいました。敵が自分の着ているものや刀を褒美で与えてしまうんですよね。お稚児さんのようにキレイに着飾った美少年が目の前で艶やかに踊ると、そりゃあげちゃうでしょうね〜(笑)この辺のコミカルな場面はちょっと狂言ぽいですね。
決まったパターンの琉球旋律に言葉を乗せているんですが、繰り返し繰り返し同じ旋律を聴いていたため、観た後も頭の中でしばらくリフレインしています。今なら適当なセリフを乗せれば組踊の曲が私にも作れそうです(笑)
ちなみに、組踊のセリフは最初のうちは外国語に聞こえたくらい、サッパリ聞き取れませんでした。あらすじを知っていたので、注意深く聴いているうちに徐々にわかる部分も出てきましたが。でも能の謡の方が断然わかりやすいくらいです。
お能を観るのが目的でしたが、珍しかったので組踊の感想が長くなりました。来年は能「道成寺」と組踊「執心鐘入」とのことですよ〜。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください