狂言「朝比奈」での出来事

今日は新しい現場の初日で、初日というのは挨拶やら打ち合わせやらパソコン設定やらでなかなか忙しいもので、定時に帰れるかハラハラしましたが、何とか予定していた「野村狂言座」を観に行くことができました。ホッ( -o-)=з
で、最初にお断りしますが、今日は感想でも何でもなくどうでもいい話です(笑)
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狂言「朝比奈」で主人公が図のような小道具を持っているんだけど、演技中に鎌の刃がポロリともげて脇正面のお白州にひらりと落ちた。
そのまま舞台は進行し、休憩時間になってグループで来てたおばさんの一人が拾いに行き友達に見せてニヤニヤしながら自分の紙袋に入れちゃった。別の女性グループが「返した方がいいんじゃないかなぁ・・・」とひそひそ(そりゃそうだ)。すると別の男性が出てきて関係者然とした態度で「事務局に返しますんで!」とおばさんからひったくっていった(アンタ誰?)。そのあと、野村裕基クン(萬斎さまの息子サン)が係員と一緒にやって来て鎌の刃を探している。役者さんが自ら回収に来るんだね(笑) (ちなみに朝比奈の役は裕基クンじゃなく深田博治さんでした)。おばさんグループの一人が「係の人が持っていきましたよ〜」と言うと裕基クン爽やかに御礼を言って楽屋に戻ったけど、あの人係の人じゃなくて単なる客だと思う。
公演が終わって客がいなくなってから回収に来ればいいと思うんだけど、あのタイミングで慌てて取りにくるのは、やっぱり記念に持って帰っちゃう客がいるからなんだろうね。みなさん、拾ったとしてもちゃんと返しませう!(そういう私も土蜘蛛の糸を持って帰ってきちゃったことあるんだけどやっぱ罪かな・・?(*-∀-)ゞ)
その後の演目が「連歌盗人」で「盗み」がテーマだった。それを意識して「刃」をくすねたのだとしたら、おばさんかなりの上級者だけどね!(・∀・)

asahina

狂言「川上」と人形浄瑠璃「壺坂観音霊験記」を観て思う夫婦の理想と現実

全く私事なのですが、本日で今の職場(立川)から撤退し、明日から別の現場(場所はヒミツ)に移ります。異動は最近になって突然言われたので、ウルトラ急ピッチでたんまりと抱えていた仕事を終わらせました。そしたら、何にもやることがなくなってしまい、身辺整理(機密書類のシュレッダーなど)も済んじゃって、仕事に関係あるデータも勢いできれいさっぱりパソコン上から消去してしまったので、今日は(仕事は)何にもできません!!というわけでヒマつぶしのため本日の投稿は長文です。おヒマな方は良かったらおつきあいください(笑)

なんかここ最近、行きたいお能の公演が全然なくてちょっと欲求不満になってます・・・(´-ω-`)

で、外も暑いし、家で有意義に過ごそうと思って、お友達から借りた狂言のDVDを観てたんですね。
10年近く前の映像なので、ひゃー、萬斎さまも誰も彼もみんな若いぃぃ~(しかも万之介さまがご健在・・(T_T)うるうる)、萬斎さまのアップが若すぎてなんだか恥ずかすぃとか一人で盛り上がりまくり(そういう自分がよっぽど恥ずかしい。笑)。

目当ては萬斎さまの「三番叟」だったのですが、最後に収録されていた万作さまの「川上」という狂言がむしろ一番印象に残り、これって5月に文楽で観た「壺坂観音霊験記」と表裏みたいな話じゃね?と思ったのでちょいとご紹介します。

「壺坂観音霊験記」あらすじ

沢市は眼病を患い盲目となったが美しい女房お里と仲睦まじく暮らしていた。
あるとき沢市はお里が夜な夜な出かけていくことを不審に思い外に男ができたのだと思う。
そこである夜秘かにお里の後をつけてみると、お里が沢市の目が治るように壺坂観音に願をかけていたことを知る。
沢市は妻の貞節を疑ったことを詫び、観音堂にお籠もりして祈りを捧げる決心をする。
お里は賛成しお籠もりの支度をするために一度家に戻った。その間に沢市はこんな自分がいては妻の足手まといだろうと自ら谷底に身を投げる。
家からお堂に戻ってきたお里は谷底に沢市の死体を見つけ、嘆き悲しみ自分も後を追い谷底に身を投げる。
谷底で眠る二人の前に観音様が現れる。二人の信仰心に報いるために観音様は二人を生き返らせ、沢市の目まで開けてくださった。
めでたしめでたし。

「川上」あらすじ

眼病のため10年前に盲目になった男が住んでいた。男には長年盲目の彼を介抱し連れ添ってきた妻がいた。
夫は川上という所にある霊験あらたかな地蔵に願掛けをすると目が見えるようになるという噂を聞き、妻に留守を任せて出かけていく。
地蔵堂に参詣した夫がお籠もりをしていると夢の中に神様が現れお告げを聞く。夢から覚めると目が見えるようになっていた。喜んで杖を捨て帰途につく夫。そこへ妻が現れる。目が見えるようになった夫に妻も喜び、どのようにして目が開いたのか尋ねる。
夫は神様のお告げを妻に話す。妻とは悪縁なので離縁すれば目が開くと神様が告げたと言うのだ。夫は目が見える方がいいので、別れて他の良い男と一緒になってくれと妻に言う。それを聞いた妻は怒り出し、絶対に別れない、離縁されるならいっそ見えない方がいいと責める。
根負けした夫は諦め、それならばこれまで通り連れ添おうと言う。すると夫の目が再び見えなくなる。二人して泣きながらこれも運命と嘆き悲しむ。こんなことなら杖を捨てなければ良かったという夫に、妻は「愛しい人、こちへ御座れ」と言い、「手を引いてたもれ」と言う夫の手を取り、二人並んで家へと帰る。

深い・・・。

「壺坂」の方は本当にええ話です。神仏は心根の美しい善い人間を救ってくれるというわかりやすいストーリーで、観た後は間違いなく幸せな気持ちになります。私もこの話が大好きです。

でも、実際の人生って「川上」みたいなもんだと思いませんか?何にも悪いことしてないのに病気になる、ずっと善い行いしてきたのに報われない、仲良い夫婦でもちょっとしたきっかけでエゴや本性が現れちゃう、神様は何にも助けてくれない、理不尽なことも受け入れていかなくちゃならない、なーんて全部現実にあること。

私も最初にこの話を観たときは、えーーー、全然救いがないじゃーん(´д`) と、モヤモヤしてしまったんですけど、改めて観てみると非常に考えさせられるというか、観る人の価値感や同じ人でも観る時の気分によって受け取り方が全然違ってきて、想像力をかきたてる深い話だなと思いました。夫婦愛なのか諦観なのか・・感じるものは人それぞれだと思います。

狂言にやはり盲目の人が出てくる「月見座頭」という演目がありますが、これも途中まで趣があるいい感じで話が展開するんですが、座頭が最後に突然、理不尽な意地悪をされるんですよね。これが今だったらすぐイジメだとか差別だという話になってしまうと思うんですが、本当のところはどうなんでしょう。作者の真意はわかりません。差別か、皮肉か、滑稽話か、受け取り方はまたそれぞれだと思います。

最近facebookでよく見られる、感動話に脊髄反射的にいいね!するような風潮は私は好きじゃありません。イイ話のウラには何かあるのでは?とつい考えてしまうので。イロイロ騙されて生きてきたので懐疑的思考が常となっているのカモ。天邪鬼でごめんね~~Ψ(+Φ∀Φ)Ψ

それにしても万作さまの演技は本当に素晴らしい。「川上」は万作さまの当たり役と言われているようです。盲人の演技も妻とのやり取りも秀逸ですが、一人芝居の部分が特に味わい深いです。万作さまの芸の真髄を堪能できる作品です。萬斎さまの「川上」は、おそらくあと20年は満足できないと思う、まだ観たことないケド(笑)

お能の会in銀座(えどこまち)

先日のお能の発表会と催し「能への誘い」を、おでかけ会の企画で採用していただき、大勢の皆さまでお越しいただいた着物屋さんのブログに写真を載せて頂きました。
ツーショット写真はえどこまち浅草本店チーフの今泉さんです。これがきっかけにお能に興味を持たれたとのこと。今度ぜひ薪能を観に行きましょう!
来年もまた能楽堂でやります。おでかけ会の企画にぜひ加えてくださいね!(¬_,¬)b

浅草 町田 金沢八景 小平 で着物の着付け、レンタル、販売を行っている えどこまち スタッフブログ ★浅草本店★お能の会in銀座

ほおづき市

ほおづき市。今年は平日だったので夜しか見られない(早朝からやっているお店も少しあったけど)。九時半頃が店じまいだそうで、会社帰りにギリギリセーフで間に合ったよ。今年も四万六千日分の功徳を得られた。ありがたや。

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着物勉強会(秋のコーディネート)

着付教室の催しで、着物の問屋さんの勉強会に参加してきました。歌舞伎の絵柄の帯を見たり、帯締めの種類について学んだり、最後は秋のコーディネートを参加者全員で実践。それにしても、勧進帳の帯を締めるにはまだまだ修行(度胸)が足りませんね!

勧進帳の弁慶の帯でーす。これを締めて歌舞伎見物をとおっしゃられても、歌舞伎座ではかえってハードル高いわ(笑)
勧進帳の弁慶の帯でーす。これを締めて歌舞伎見物をとおっしゃられても、歌舞伎座ではかえってハードル高いわ(笑)
私が考案した秋のコーディネートです。なかなかいいでしょう?優勝は同じ教室の生徒さんでした。
私が考案した秋のコーディネートです。なかなかいいでしょう?優勝は同じ教室の生徒さんでした。
男性用の羽裏だそうです。上は勧進帳。下は喜多川歌麿の浮世絵で遊女が持っている羽織の羽裏には達磨が描かれています。羽裏ならこれぐらいやっちゃってもいいのかも??
男性用の羽裏だそうです。上は勧進帳。下は喜多川歌麿の浮世絵で遊女が持っている羽織の羽裏には達磨が描かれています。羽裏ならこれぐらいやっちゃってもいいのかも??
新装歌舞伎座の前の第四期歌舞伎座の帯です。これを締めて古き歌舞伎座を忍びましょうか・・・。(ムリ!勇気が無い。笑)
新装歌舞伎座の前の第四期歌舞伎座の帯です。これを締めて古き歌舞伎座を忍びましょうか・・・。(ムリ!勇気が無い。笑)

かっぱ橋通り下町七夕祭り

西浅草、かっぱ橋本通りにて「下町七夕祭り」開催中(7月5日(金)〜7月10日(水))。明日7日も10:00〜19:00は歩行者天国になります。ちょうど越中おわら節をやってました。出店もたくさん出ていたよ。今日はかき氷がたくさん売れていたようです!

東京スカイツリーが見える商店街に七夕飾りがきらきら☆彡
東京スカイツリーが見える商店街に七夕飾りがきらきら☆彡
越中おわら節をやってました。
越中おわら節をやってました。
越中おわら節。男性の踊り子さんも。
越中おわら節。男性の踊り子さんも。