野村万作さまの芸歴八十年記念公演(第二日目)を拝見して参りました。
チケット応募をすっかり忘れていて落胆していたところ、お友達がチケットを手配してくれていたのです。あぁー万作ラブ熱♡を常々しつこいぐらいに主張しておいてよかったぁ~と思いました(*´▽`*) 感謝の気持ちで国立能楽堂へ!
今回一番観たかった「三番叟」は、万作さま・萬斎さまのお二人ともが三番叟を勤められるという珍しい演式でした。小書に「神楽式・双之舞」とあります。「神楽式」は古より伝わる小書のようですが、「双之舞」は公演プログラムに「二人の三番叟であることを勘案し名付けた」と記載されていましたので、今回の記念公演のために作られたということなのでしょうか。ともかくたいへん珍しいものを見せて頂きました。
二人の三番叟が色違いでお揃いの装束をつけ同じように黒い尉の面をかけて鈴を持ち舞台上で同時に舞います。舞台を広々と使い、並んで舞い離れてはまた近づき交差し、波動と立体感が感じられる舞。三番叟は常でも豪華なものですが、双之舞ではその迫力と華やかさは二倍増しとなりおめでたさが際立つものでした。
千歳はお孫さん(萬斎さまのご長男)の裕基くんが初々しく勤められれ、親子三代共演の三番叟まことに微笑ましい光景です。お囃子方には藤田六郎兵衛さま(笛)、大倉源次郎さま(小鼓頭取)、亀井忠雄さま(大鼓)ら超一流どころが招かれ、素晴らしい演奏で万作さまを祝福なさいました。
万作さまの従兄弟の三宅右近さまの狂言「佐渡狐」、名古屋の野村又三郎さまの小舞「御田」、万作さまのお孫さんの遼太くんの小舞「景清」、万作さま・萬斎さま親子の狂言「痺(しびり)」、そして一門の若手たちの「六地蔵」と、バラエティに富んだ演目でそれぞれにとても楽しめました。中でもいいなぁ~と思ったのが小舞「御田」で、これ覚えて内輪のおめでたい席なんかで舞ったら盛り上がりそうだな~と狂言小舞もちょっと習ってみたいなと思ってしまいました(能の仕舞もろくに練習してないくせに…?(゚∀゚ ;))
萬斎さまはスター☆彡なのでお若い頃から光り輝いていますし最近は人気に負けない実力を兼ね備えて全く非の打ち所なく素敵だと思いますが、お父様の万作さまとご一緒に舞台に立たれますと、どうしてもお父様の素晴らしさの方に目を奪われてしまいます。お年は召されましたが万作さまの芸はいまだ遙かに高いところにおられます。萬斎くんまだまだですなぁ~がんばれ~(笑)
八十三歳とは思えない軽やかな動きを見せて頂いた三番叟の円熟の舞も素晴らしかったですが、「痺」で演じられた太郎冠者のお茶目さ愛らしさもまた万作さまの持ち味を存分に楽しむことができ、ファンには嬉しい番組でした(*^_^*)
お祝いの会にふさわしい豪華で楽しい公演でした。いやホント観に行って良かった!
万作さま、芸歴八十年まことにおめでとうございます。さらに芸歴九十年をめざして今後もお元気にご活躍されますよう心よりお祈り申し上げます!