第95回粟谷能の会「道成寺」(前編)

このところ毎回拝見してはまっております喜多流・粟谷能の会。今回は道成寺ということもあり、SS席を奮発いたしましたよ~。正面席、前から2列目ど真ん中。最上級のお席です。この幸せに感謝であります(*´▽`*)

<ざっくりあらすじ>
道成寺で鐘を再建することになり、寺の能力が新しい鐘を吊り上げる。女人禁制の鐘楼に、能力は白拍子を入れてしまう。白拍子は舞いながら鐘に近づき、鐘の中に入ってしまう。と、同時に鐘が落ちてしまった。能力は住僧に鐘が落ちたことを報告すると、住僧は鐘にまつわる話をし、祈祷で鐘の呪いを払おうとする。すると鐘が上がり、中から蛇が現れる。蛇と僧たちが闘った末、僧たちが勝利し、蛇は日高川に逃れていく。

下掛り流儀なので、アイが芝居がかりで鐘を運んで設置します(上掛り流儀(観世・宝生)の場合は、最初に後見が運んできて設置する)。鐘の重さは80キロほどあるそうですので、実際にはアイ2人、後見2人が鐘の竜頭に通した太い竹の棒を担ぎ、後見2人が横から鐘を支えて、6人がかりで運んできます。アイの野村萬斎さん、深田博治さんが「えいやーえいとーなんと重い鐘ではないか~」などと途中挫折しそうになりながら運ぶお芝居をします。鐘はかなり高さがあるので(人ひとりが入るんだからそりゃそう)担ぐ4人は両手を高く掲げて棒を持ち上げ、つま先立ちで歩いてきます。重いものを担いでつま先立ちで歩くのはさぞやキツいことでしょうなぁ。

鐘は鮮やかな緑色でした。ワタクシ喜多流の道成寺をこのところしばらく観てなかったようです。道成寺の鐘っていうと紺色か紫色のイメージがありました。でも、緑色がホンモノの鐘の色に一番近いかも~、いいかも~。

舞台中央まで行きますと、アイが鐘を吊るします。能舞台の天井に滑車が設置されていて、そこに鐘の竜頭に付けられた綱を通します。天井に届くくらいの長い竹の棒が二本用意されます。綱の先端は輪になっていて、まずは先が二つに分かれた竹の棒の先に綱の先端部分を挟み、天井の滑車に綱の先端(輪の部分)を差し込みひっかけます。そして、先に鉤がついているもう1本の竹の棒で綱の輪をひっぱると、挟んである方の竹の棒がはずれ、滑車に綱が通ります。いつも思うのですが、能の作り物や道具は本当によくできているなぁと感心します。動きに無駄がでないように合理的にできています。

しかし、今回、珍しく鐘を吊るのにかなり手間取りました。竹の先端に綱を挟む時もすんなり挟まらず。深田さん少し緊張?うまくいかないことが多い、綱の輪っかを滑車にひっかけるのは一発で成功したのですが、そのあと、滑車がぐるぐる回ってしまって思い通りの向きに定まらず、綱がどうしても真っ直ぐかかりません。しまいに電話の受話器のコードのようにこんがらかってしまいました。綱が真っ直ぐになっていないと、鐘を落とす時にたいへん危険です。何度も直そうとするのですが、なかなかうまくいきません。いったん萬斎さんが鐘を吊るときのセリフを言い始めましたが、萬斎さん、思い直したようにセリフを止めまた綱をほどいてやり直し始めました。見てる方もなんだかハラハラです(゚д゚;) リトライの結果、今度はきれいに綱がかかりました。こちらも思わず「ヨシ!これで大丈夫!」と心の中でガッツポーズ。改めて鐘が吊りあげられ、演技再開です。

さあさ、鐘が吊り下がりました。能力(アイ)は住僧(ワキ)に「女人を入れてはいけないよ~」と命じられています。

そこへ、白拍子(前シテ)が妖しげな雰囲気を醸しながら登場します。

本日のおシテは喜多流・粟谷明生さん(58歳)です。道成寺は2回目とのこと。披きのフレッシュさとまた違った円熟味を見せていただけることを大いに期待ですっ!!\(o^▽^o)/

鐘の供養をしたいと申し出た白拍子に、能力は舞って見せるなら~とあっさり許可してしまいます(あらあら~)。

そして、白拍子が烏帽子をつけて舞い始めます。「乱拍子」という独特の舞です。

長くなりましたので、つづきはまた明日に。

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「第95回粟谷能の会「道成寺」(前編)」への5件のフィードバック

    1. 明生さん、ただいま続編を執筆中です〜。インタビュー、いかがでしたか?

    1. まりまりさん、書きたいことがたくさんあります!でも記憶はどんどん薄れていく(笑)続き、早く書かねば!

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