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飛鳥山薪能「土蜘蛛」「附子」

【久々にお能の感想。蟹の写真が混ざっている理由とは!?】

昨夜は飛鳥山薪能に行って参りました。先週末は新宿御苑で薪能。薪能づいております。カミングアウトするとワタクシ薪能はあんまり好きじゃないです(笑) でもまあ今回は前から二列目の真ん中という最高の席だったし演目が良かったので結構楽しめましたよ~。

狂言の「附子(ぶす)」は演目解説で横浜能楽堂館長も仰っていましたが、かつては小学校の国語の教科書に載っていました。それが私と狂言の最初の出会いだったように思います。最近では「附子」を知らない若い人も多いですね。
今回は野村万作さん&萬斎さん親子が太郎冠者と次郎冠者で、これはもう安定の面白さです。客席が心地よい笑いに包まれつかみはOKです!

能「土蜘蛛」ざっくりあらすじ。
原因不明の病に伏せる源頼光の元に怪僧が現れる。その正体は土蜘蛛で、頼光は蜘蛛の糸を投げかけられ襲われるが応戦し、化生の者は逃げ去る。頼光が斬りつけた土蜘蛛の血の跡を追って、独武者と家来たちが土蜘蛛のすみかをつきとめ退治する。

この能の見どころは何と言っても、シテの土蜘蛛が白い糸を次から次へと投げ放つところでしょう。
昔は太くて短い糸を象徴的に投げていたのが、明治時代に金剛流で細い糸をたくさん投げる演出が考え出され、それが他流にも広がったのだそうな。

今回は「さゝ蟹(ささがに)」という小書(特殊演出)がついていました。これは狂言方の小書で、本来であれば間狂言は家来の役ですが、この小書がつくと蟹の精霊2名が登場し、彼らが手をチョキにして横歩きして出てきて、退治されるのが自分たちのことだと勘違いして恐れたり、蜘蛛の糸など自分たちのはさみでちょん切ってやればよい、などとユーモラスな会話が繰り広げられます。この小書はとても新しくて昭和になってから出来たものであるようです。

「土蜘蛛」自体が新しい曲で、作られたのは江戸時代だそうです。そう言われてみると、構成や演出は従来の伝統的な演目の型とはなにか違った新作な感じがいたしますな。

最初に登場するシテツレ「胡蝶」などは最初に出てきてすぐひっこんでしまう意味不明の謎の存在。
シテの「土蜘蛛」は前振りもなくいきなり登場し、観ている人にも何が何やらわからないミステリー感で期待が高まります(後場で世を乱すために近づいたと述べます)。
前シテ(怪僧=土蜘蛛)がひっこんでからようやくワキ(独武者)が登場とかイレギュラーな構成。まあとにかく人の出入りが多くて飽きが来ないです。

後場で、古塚を意味する作り物の引き回し(覆い布)が下ろされると、ジャジャーン!蜘蛛の巣デザインが登場。なにやらモダンな感じです。これを豪快に蹴破って土蜘蛛の化け物登場!赤基調のキンキラキンの装束に赤頭カッコエー!!
そして土蜘蛛と独武者一行が闘争する場面での舞働(まいばたらき)(=お囃子を伴う表意的な所作)も豪快に決まってました。

蜘蛛の糸、投げられるわ投げられる、何度投げられたことであろりましょう、大サービスです!いったいどこにあんなに糸がしまってあったのでしょう?投げる回数は特に決まっていないそうですよ。今回はたくさん投げた方じゃないでしょうかね。舞台上が白い雲海のごとく埋め尽くされたほど。ちなみに蜘蛛の糸は細い和紙を紙テープ状にした小道具が使われ千筋の糸と呼ばれています。

白い糸が投げられ放物線を描き宙に浮く様子に、客席から「おぉーーー」とか「わぁ、きれいーーー」という声が上がり(ほとんど花火を見るような反応ですネ)両手から放たれた糸がキレイに放射状に広がって決まったときには拍手喝采、能楽堂ではあまり見られない屋外の会場ならではの光景でしたね~。

土蜘蛛は上演時間も短いし、最初から最後までテンポ良く物語が展開し、観客を飽きさせないので、薪能にはピッタリな演目だと思います。船弁慶なんかも薪能向きですね。パイプ椅子にじっと座って寒さと戦っている時に静かな曲はちょっと辛いです(^_^;)

今回の演者紹介を眺めていたら昭和40年代生まれが3分の2を占めていました。同世代の活躍嬉しく思います。ほぼ40代ですが能楽の世界においては時代を担う若手世代なんですよね~。これは私も老け込んではいられない!(笑)
asukayamatakiginoh

狂言「川上」と人形浄瑠璃「壺坂観音霊験記」を観て思う夫婦の理想と現実

全く私事なのですが、本日で今の職場(立川)から撤退し、明日から別の現場(場所はヒミツ)に移ります。異動は最近になって突然言われたので、ウルトラ急ピッチでたんまりと抱えていた仕事を終わらせました。そしたら、何にもやることがなくなってしまい、身辺整理(機密書類のシュレッダーなど)も済んじゃって、仕事に関係あるデータも勢いできれいさっぱりパソコン上から消去してしまったので、今日は(仕事は)何にもできません!!というわけでヒマつぶしのため本日の投稿は長文です。おヒマな方は良かったらおつきあいください(笑)

なんかここ最近、行きたいお能の公演が全然なくてちょっと欲求不満になってます・・・(´-ω-`)

で、外も暑いし、家で有意義に過ごそうと思って、お友達から借りた狂言のDVDを観てたんですね。
10年近く前の映像なので、ひゃー、萬斎さまも誰も彼もみんな若いぃぃ~(しかも万之介さまがご健在・・(T_T)うるうる)、萬斎さまのアップが若すぎてなんだか恥ずかすぃとか一人で盛り上がりまくり(そういう自分がよっぽど恥ずかしい。笑)。

目当ては萬斎さまの「三番叟」だったのですが、最後に収録されていた万作さまの「川上」という狂言がむしろ一番印象に残り、これって5月に文楽で観た「壺坂観音霊験記」と表裏みたいな話じゃね?と思ったのでちょいとご紹介します。

「壺坂観音霊験記」あらすじ

沢市は眼病を患い盲目となったが美しい女房お里と仲睦まじく暮らしていた。
あるとき沢市はお里が夜な夜な出かけていくことを不審に思い外に男ができたのだと思う。
そこである夜秘かにお里の後をつけてみると、お里が沢市の目が治るように壺坂観音に願をかけていたことを知る。
沢市は妻の貞節を疑ったことを詫び、観音堂にお籠もりして祈りを捧げる決心をする。
お里は賛成しお籠もりの支度をするために一度家に戻った。その間に沢市はこんな自分がいては妻の足手まといだろうと自ら谷底に身を投げる。
家からお堂に戻ってきたお里は谷底に沢市の死体を見つけ、嘆き悲しみ自分も後を追い谷底に身を投げる。
谷底で眠る二人の前に観音様が現れる。二人の信仰心に報いるために観音様は二人を生き返らせ、沢市の目まで開けてくださった。
めでたしめでたし。

「川上」あらすじ

眼病のため10年前に盲目になった男が住んでいた。男には長年盲目の彼を介抱し連れ添ってきた妻がいた。
夫は川上という所にある霊験あらたかな地蔵に願掛けをすると目が見えるようになるという噂を聞き、妻に留守を任せて出かけていく。
地蔵堂に参詣した夫がお籠もりをしていると夢の中に神様が現れお告げを聞く。夢から覚めると目が見えるようになっていた。喜んで杖を捨て帰途につく夫。そこへ妻が現れる。目が見えるようになった夫に妻も喜び、どのようにして目が開いたのか尋ねる。
夫は神様のお告げを妻に話す。妻とは悪縁なので離縁すれば目が開くと神様が告げたと言うのだ。夫は目が見える方がいいので、別れて他の良い男と一緒になってくれと妻に言う。それを聞いた妻は怒り出し、絶対に別れない、離縁されるならいっそ見えない方がいいと責める。
根負けした夫は諦め、それならばこれまで通り連れ添おうと言う。すると夫の目が再び見えなくなる。二人して泣きながらこれも運命と嘆き悲しむ。こんなことなら杖を捨てなければ良かったという夫に、妻は「愛しい人、こちへ御座れ」と言い、「手を引いてたもれ」と言う夫の手を取り、二人並んで家へと帰る。

深い・・・。

「壺坂」の方は本当にええ話です。神仏は心根の美しい善い人間を救ってくれるというわかりやすいストーリーで、観た後は間違いなく幸せな気持ちになります。私もこの話が大好きです。

でも、実際の人生って「川上」みたいなもんだと思いませんか?何にも悪いことしてないのに病気になる、ずっと善い行いしてきたのに報われない、仲良い夫婦でもちょっとしたきっかけでエゴや本性が現れちゃう、神様は何にも助けてくれない、理不尽なことも受け入れていかなくちゃならない、なーんて全部現実にあること。

私も最初にこの話を観たときは、えーーー、全然救いがないじゃーん(´д`) と、モヤモヤしてしまったんですけど、改めて観てみると非常に考えさせられるというか、観る人の価値感や同じ人でも観る時の気分によって受け取り方が全然違ってきて、想像力をかきたてる深い話だなと思いました。夫婦愛なのか諦観なのか・・感じるものは人それぞれだと思います。

狂言にやはり盲目の人が出てくる「月見座頭」という演目がありますが、これも途中まで趣があるいい感じで話が展開するんですが、座頭が最後に突然、理不尽な意地悪をされるんですよね。これが今だったらすぐイジメだとか差別だという話になってしまうと思うんですが、本当のところはどうなんでしょう。作者の真意はわかりません。差別か、皮肉か、滑稽話か、受け取り方はまたそれぞれだと思います。

最近facebookでよく見られる、感動話に脊髄反射的にいいね!するような風潮は私は好きじゃありません。イイ話のウラには何かあるのでは?とつい考えてしまうので。イロイロ騙されて生きてきたので懐疑的思考が常となっているのカモ。天邪鬼でごめんね~~Ψ(+Φ∀Φ)Ψ

それにしても万作さまの演技は本当に素晴らしい。「川上」は万作さまの当たり役と言われているようです。盲人の演技も妻とのやり取りも秀逸ですが、一人芝居の部分が特に味わい深いです。万作さまの芸の真髄を堪能できる作品です。萬斎さまの「川上」は、おそらくあと20年は満足できないと思う、まだ観たことないケド(笑)

奉納 靖国神社 夜桜能

yozakuranoh

先週4月2日(火)~4日(木)に開催され、私は第二夜を観てきました。
初日は雨天のため会場が日比谷公会堂に変更されましたが、第二夜と第三夜は、無事、靖国神社の能舞台で上演されました。

その頃巷では歌舞伎座新開場で盛り上がっていましたが、私の頭の中は夜桜能でいっぱい。初日と二日目は天気が気になって気象情報サイトを数分おきに見ては気を揉み、三日目は前夜の余韻にひたっていて、3日間全く仕事に身が入りませんでしたね~(←おバカ)

観能当日。その日は前夜からの嵐がやまず、昼過ぎまで激しい風雨に見舞われ、能舞台での上演が危ぶまれましたが、4時少し前に靖国神社で開催決定との報を受け、いそいそと帰り支度を始める私(早すぎるっつーの。笑)

<第二夜演目>
舞囃子「安宅」
狂言「文荷」
能「船弁慶」

桜の花は嵐ですっかり散ってしまったのだろうな~と半ば諦めていましたが、桜たちまだまだ頑張っていましたよ。ライトアップもされて幻想的な雰囲気。雨はすっかり上がっていましたが、風がまだかなり強かったので、時折、突風が吹き桜吹雪が濃紺の夜空に舞い、それがまた何とも綺麗でした。

最初に火入れ式がありました。靖国神社の神殿より御神火が運ばれ、松明に移されて、本舞台の左右に篝火が灯されます。
粛々と・・と言いたいところですが、マイクアナウンスがちょっと不粋だったかな。式の進行が逐一説明され、火入れ奉行を務めるお偉いさんの名前が紹介され・・おそらく後ろの人が見えにくくて何をやっているかわからないから必要なのかもしれませんが、テレビの中継でも見ているようで厳かな気分はちょっぴりそがれます。

さて、火入れ式が終わると、いよいよ舞台が始まります。
篝火は二箇所のみでしたが、本舞台と橋懸かりに電気の照明が点灯されました。それが明るすぎて、もはや薪能の雰囲気ではなくなります(笑)

最初の舞囃子では、紋付き袴に肩衣を付けたシテ、地謡、お囃子が登場。裃姿のシテが花吹雪の中で舞う様は、あたかも江戸城での儀式を見ているようでした(時代劇のイメージ。笑)能舞台の上にも桜の花びらが落ちていて、風流でしたなぁ~。

狂言には、万作さまがご登場。お年を召されていますし、年初に体調も崩されていたので、この寒さなのに大丈夫かしらん、と心配しましたが、お元気にお茶目に演じられていました。面白かったぁ。たくさん笑いました。

休憩を挟んで、いよいよ「船弁慶」です!誰が見ても何度見ても絶対に面白いキングオブザ能演目。でも毎回新しい発見があります。今日はどんな船弁慶になるのだろう?期待が高まります。
おシテは宝生和英さん。宝生流の若き宗家です。嵐に負けず若々しく元気いっぱいに演じたという印象です。

静御前(前シテ)が舞っている最中に、橋懸かりからひっそりと萬斎さまご入場。橋懸かりのすぐ側に座っていた私はついついチラ見(コラ、ちゃんとシテの舞を見なさい!笑)。あれ?何かちょっと怖い顔している?寒い!って怒っているのでは?たしかに他の演者さんに比べて狂言の装束は少々薄着な感じです。

後場がすごーく良かったです!凪いでいた海が突然荒れ始め、平知盛の亡霊(後シテ)が登場、という筋書きなのですが、本物の嵐との相乗効果満点!いまだ舞台の上に吹き抜ける強い風が演者の装束を翻しはためかせ、あぁぁ、本当に嵐の中で船に乗っているように見えますぅぅ!!
ゴォォォォォーーーという上空の風の音が、荒れ狂う海上での義経弁慶vs平家亡霊の壮絶な戦いを効果的に盛り上げます。強風が知盛の黒く長い髪の毛(黒頭)を逆立てます。強風のおかげでより恐ろしい形相の知盛、一丁上がりです!演者さんらの迫真の演技もありましたが、自然の力も手伝ってたいへんドラマチックな舞台となりました。

会場ではひざかけのレンタル、使い捨てカイロや温かい飲み物の販売、お手洗いへの速やかな誘導など、防寒に対するサービスが充実、また、無料の雨具配布、イヤホンガイドのレンタル、プログラムの客席販売など、至れり尽くせりのサービスで、会場スタッフの方々の応対もとても親切で気持ちが良かったです。

天候が荒れて寒かった第二夜とは打って変わって、第三夜は春らしく暖かく穏やかな天候の中で舞台が行われたそうです。やはり年初に病床にあった宝生閑さまもご出演なさったそうで、もうすっかりお元気になられたようですね。こうして夜桜能は無事3日間の幕を閉じました。来年こそは満開の桜の下で観られたらいいな!

夜桜能@靖国神社 写真集

水曜日に奉納靖國神社夜桜能(第二夜)を観てきました。昼間、暴風雨だったので、予定通り行われるか心配しましたが、午後3時頃には雨も上がり、神社内の能舞台で無事上演されました。すっかり葉桜になると思っていましたが、桜の木もまだ頑張ってましたよ。お能の感想はまた後日書きます。とりあえず写真だけアップいたします。

式能な一日

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国立能楽堂にやってきました。式能。これから夜7時までぶっ通しで観ます。至福!
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ガーンΣ( ̄ロ ̄lll) 人間国宝の宝生閑さまが病気ご休演です。拝見できないのも残念ですが、おかげんが心配…。
動揺のあまりピントが外れてしまいました・・(汗)
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式能。第一部が終了し、第二部の開演を待ってます。
第一部は、翁と能2番、狂言2番。例えて言うなら100キロマラソンに出場して、既にフルマラソンの距離を走ってきたけど、まだ半分以上残ってるという感じです。
万作さまの太郎冠者、相変わらず愛らしゅう〜(*´▽`*)
第二部は、能3番、狂言2番、久々に観る金剛流の能と、これまた久々の野村萬さんを楽しみにしてます!
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式能、終わりました!9時間、最後まで走りきった!(観てただけですが 笑)観てる方も体力要りますね。さすがに途中寝そうになった(^_^;)

新春名作狂言の会

新春名作狂言の会を観て参りました。
能楽堂ではなく、新宿文化センター大ホールという大きな会場で毎年やっています。今年で何と16回目なんですね!
2階席までびっしり埋まってました。私は1階席前から6列目という罰当たりなほどの良いお席。能楽堂で観るくらいの距離です。2階席だと声はなんとか聞こえるでしょうが、オペラグラスが必要ですね。

和泉流の野村万作家(東京)、大蔵流の茂山千五郎家(京都)のコラボレーション。「蚊相撲(かずもう)」(大蔵流)、「柑子(こうじ)」(和泉流)、「茸(くさびら)」(和泉流)と良演目です。

狂言の前に恒例のトークショーがありました。
最初に茂山正邦さんが一人でお出ましになり「蚊相撲」の解説。観客の反応が、あれあれ?萬斎様はー?という雰囲気を露骨に呈していたのか、正邦さんが「そうですよね、早くのぼう様に会いたいですよね?」と気を遣ったりして。いえいえ正邦さんの京都弁、もっと聞いていたかったですよ~。

そして萬斎さま、もったいぶってご登場(笑)
その後は二人のトーク(漫才?)です。東西の言葉の違いの話やら何やらあって(あんまり狂言に関係ない、ただの世間話ぽかった 笑) その後「雪山(ゆきやま)」という曲の小舞謡を二人同時に舞って謡うというコラボ!流派が違うので当然、節回しや舞の型が違ったり、同じところもあったり。謡がずれたり不協和音を奏でるのも、これまたご愛敬。なかなか面白い試みでした。舞は最初は全然違っていましたが、途中からはほぼ一緒でしたね~。

そして、正邦さんは次の「蚊相撲」の出演準備のため、いったん楽屋裏に引っ込みます。で、萬斎さまが一人でトークとなったのですが、「柑子」「茸」の解説の他、装束や着物のお話など。着付けは5分でOKとか、補正をするのに綿入れを着ているとか。萬斎さまは細っこいので綿入れの下にさらにチョッキを着たりしているそうです。チョッキ!昭和なボキャですね(笑)

さて、演目の方ですが、「蚊相撲」と「茸」は、見れば誰でも笑えるわかりやすい人気演目です。中でも「茸」はキノコの精がたくさん出てきて、動きも面白く、現代のコントみたいにドタバタしていて、かなり笑えます(^▽^)

あらすじ:屋敷に人間ほど大きいキノコが生えてきて取っても取ってもなくならず困っている者が、山伏に法力でキノコを退治するよう依頼するが、山伏が祈祷してもキノコがなくなるどころかますます増えていき、終いには二人にイタズラしたりし始め・・。

キノコが舞台上を歩き回るのですが、背筋を伸ばしたままお尻が床につきそうなぐらい腰を落として(つまり姿勢良くしゃがんで)つま先歩きで素速く移動するのです!これは体力がいるなあ~。萬斎さまは山伏役だったので、体力温存です(笑)

いろんな種類のキノコが出てきてとても可愛かったです。今回は能舞台でないので、客席すぐ横の舞台袖からもキノコが出てきたりして(まさに神出鬼没な演出!)前方左端にいた私は至近距離でキノコが疾走するのを見られて幸運でした♪

よく上演される演目ですので(海外公演でもよく上演される:萬斎さま談)ぜひ一度ごらんになってみてくださいな!

さて、昨今、体調不良で地方公演をいくつか休演なさっていた万作さまですが、今回は予定通り「柑子」に出演されました。とりあえずお元気そうなご様子に本当に安堵いたしました~(*´-д-)フゥ-3 お歳もお歳ですからくれぐれもご無理なさらず、末永く良いお舞台を拝見したいものです。

「柑子」は15分足らずの小品ですが、なかなか小洒落た曲です。掛ことば(ダジャレですね)や平家物語の引用などもあり、楽しむにはちょっとした教養が必要な作品です。まあ、今回は萬斎さまの事前の解説があったため、教養のないワタクシでも全く問題なし!(笑)

「蚊相撲」は蚊の精が出てきて人間をだまして血を吸おうとします。でも人間も途中でアイツは蚊に違いないと気づいて対抗し・・。
蚊の精がとてもユーモラスで楽しい作品です。大蔵流の狂言、最近は山本東次郎家ばかり観ていて、久々に茂山家を観ました。茂山千五郎家は自らの芸をお豆腐狂言と称していて、親しみやすさがウリです。同じ流派なのに芸風が全く違う!東次郎ファンの私ですが、茂山家もまたえ~な~と思ってしまったのでした。

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今回のイメージ写真。亡父と今は中学生になった姪がキノコ採りに行った時(10年前)のとても良い写真があったので使用しました。ま、キノコつながりってことで!(笑)

野村狂言座

今年初の能楽堂、昨日、狂言の会に行って参りました。
野村万作さまが定期的に行っている「野村狂言座」。演目は「鍋八撥」「素袍落」「業平餅」狂言のみ三番で解説つき。それと素囃子「男舞」。もちろん萬斎さまもご出演です♡

会場は少々、女子率高めな感じ(年齢問わず)? 狂言の会だからというのもあるかも。

そうそう、私の母も萬斎さまを大のお気に入りで、正月に帰省したときも萬斎イイ、萬斎オモシロイと連発してました。母は狂言の舞台を一度も観たことが無いのです。無いというのに何故に好き?テレビの「ぴったんこカンカン」で安住アナに狂言を教えるところを観て好きになったそうで。なるほどー。今度東京に遊びに来た時には、ぜひホンモノの狂言の舞台を見せてあげたいと思います。

正月のお能といえば「翁」でしょうが(もちろん「翁」もこれから観に行きますけどー)狂言の会で笑い初めするのも、縁起が良いですね~。狂言のみ、というのも気楽でいいです。予習も要らないし。お正月ということでおめでたい演目もあり、気持ちよく終わる作品ばかりでとても楽しかったです♪

「業平餅」は平安時代の歌人・在原業平が主人公。業平役は萬斎さまでした。最近、萬斎さまを見る時は、間狂言(能の一部として演じる狂言)か、頭の回転が速く悪知恵が働いたりいたずらをしかけたりするような役ばかりだったので、今回のちょっとのほほ~んとしてアホっぽい(笑)業平の役は、また全然違った味が出ていてなかなか面白かったですよ。

そして、万作さまの可愛らしさといったら・・!あんなに可愛らしい82歳がいるものでしょうか!?「業平餅」では、業平に醜女をおしつけられる傘持ち役を演じましたが、二人のおとぼけコントがもう秀逸!二人とも最初はその娘の顔も見ずに嫁にもらおうとするのですが、娘の顔を見た瞬間の萬斎さまの驚愕の様子(演技っぽくなく素に見えた 笑)、そして、万作さまの思いっきり腰を抜かす演技(本当に腰が抜けてしまったのではないかと心配になりました・・(^_^;))。もう会場、大爆笑です!そして最後は色男の業平が押しの強い醜女にすっかり惚れられて追いかけられて終わるお約束のパターン(笑)

不細工な女性を笑い物にする作品ではありますが、狂言に出てくる女性は強くてたくましいので、全くイヤな感じはいたしません。色男親子は、実際にもそういうこと過去にあったかもしれませんネ(笑)

さて、近頃はイメージ写真の作成にはまっていたのですが、正月ボケか、写真のネタがすぐに思いつかなかったので、今回はイラストを描いてみましたよ。「業平餅」の主人公、在原業平です。少女漫画風(笑)
今回、席が最後列で、萬斎さまのお顔が良く見えませんでしたので、イラストはあくまでイメージです!!
narihiramochi