新春名作狂言の会を観て参りました。
能楽堂ではなく、新宿文化センター大ホールという大きな会場で毎年やっています。今年で何と16回目なんですね!
2階席までびっしり埋まってました。私は1階席前から6列目という罰当たりなほどの良いお席。能楽堂で観るくらいの距離です。2階席だと声はなんとか聞こえるでしょうが、オペラグラスが必要ですね。
和泉流の野村万作家(東京)、大蔵流の茂山千五郎家(京都)のコラボレーション。「蚊相撲(かずもう)」(大蔵流)、「柑子(こうじ)」(和泉流)、「茸(くさびら)」(和泉流)と良演目です。
狂言の前に恒例のトークショーがありました。
最初に茂山正邦さんが一人でお出ましになり「蚊相撲」の解説。観客の反応が、あれあれ?萬斎様はー?という雰囲気を露骨に呈していたのか、正邦さんが「そうですよね、早くのぼう様に会いたいですよね?」と気を遣ったりして。いえいえ正邦さんの京都弁、もっと聞いていたかったですよ~。
そして萬斎さま、もったいぶってご登場(笑)
その後は二人のトーク(漫才?)です。東西の言葉の違いの話やら何やらあって(あんまり狂言に関係ない、ただの世間話ぽかった 笑) その後「雪山(ゆきやま)」という曲の小舞謡を二人同時に舞って謡うというコラボ!流派が違うので当然、節回しや舞の型が違ったり、同じところもあったり。謡がずれたり不協和音を奏でるのも、これまたご愛敬。なかなか面白い試みでした。舞は最初は全然違っていましたが、途中からはほぼ一緒でしたね~。
そして、正邦さんは次の「蚊相撲」の出演準備のため、いったん楽屋裏に引っ込みます。で、萬斎さまが一人でトークとなったのですが、「柑子」「茸」の解説の他、装束や着物のお話など。着付けは5分でOKとか、補正をするのに綿入れを着ているとか。萬斎さまは細っこいので綿入れの下にさらにチョッキを着たりしているそうです。チョッキ!昭和なボキャですね(笑)
さて、演目の方ですが、「蚊相撲」と「茸」は、見れば誰でも笑えるわかりやすい人気演目です。中でも「茸」はキノコの精がたくさん出てきて、動きも面白く、現代のコントみたいにドタバタしていて、かなり笑えます(^▽^)
あらすじ:屋敷に人間ほど大きいキノコが生えてきて取っても取ってもなくならず困っている者が、山伏に法力でキノコを退治するよう依頼するが、山伏が祈祷してもキノコがなくなるどころかますます増えていき、終いには二人にイタズラしたりし始め・・。
キノコが舞台上を歩き回るのですが、背筋を伸ばしたままお尻が床につきそうなぐらい腰を落として(つまり姿勢良くしゃがんで)つま先歩きで素速く移動するのです!これは体力がいるなあ~。萬斎さまは山伏役だったので、体力温存です(笑)
いろんな種類のキノコが出てきてとても可愛かったです。今回は能舞台でないので、客席すぐ横の舞台袖からもキノコが出てきたりして(まさに神出鬼没な演出!)前方左端にいた私は至近距離でキノコが疾走するのを見られて幸運でした♪
よく上演される演目ですので(海外公演でもよく上演される:萬斎さま談)ぜひ一度ごらんになってみてくださいな!
さて、昨今、体調不良で地方公演をいくつか休演なさっていた万作さまですが、今回は予定通り「柑子」に出演されました。とりあえずお元気そうなご様子に本当に安堵いたしました~(*´-д-)フゥ-3 お歳もお歳ですからくれぐれもご無理なさらず、末永く良いお舞台を拝見したいものです。
「柑子」は15分足らずの小品ですが、なかなか小洒落た曲です。掛ことば(ダジャレですね)や平家物語の引用などもあり、楽しむにはちょっとした教養が必要な作品です。まあ、今回は萬斎さまの事前の解説があったため、教養のないワタクシでも全く問題なし!(笑)
「蚊相撲」は蚊の精が出てきて人間をだまして血を吸おうとします。でも人間も途中でアイツは蚊に違いないと気づいて対抗し・・。
蚊の精がとてもユーモラスで楽しい作品です。大蔵流の狂言、最近は山本東次郎家ばかり観ていて、久々に茂山家を観ました。茂山千五郎家は自らの芸をお豆腐狂言と称していて、親しみやすさがウリです。同じ流派なのに芸風が全く違う!東次郎ファンの私ですが、茂山家もまたえ~な~と思ってしまったのでした。

