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セルリアンタワー能楽堂バックステージツアー

セルリアンタワー能楽堂のバックステージツアーに参加してきました。

ナビゲーターはシテ方観世流の鵜澤光さんとワキ方下掛宝生流の大日方寛さんです。

大日方さんと光さんに舞台や小道具のことなどいろいろ解説いただき、シテ方とワキ方の所作を舞台上で実際に行っていただいたり、また、全員が白足袋を履いて舞台裏や舞台上を自由に歩き回り、摺り足をしてみたり足拍子を踏んでみたり揚幕を上げてみたりいろんな隙間から客席を覗いてみたり、自由な雰囲気でのんびり拝見できてとても楽しかったです♪

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全員が白足袋を履いて舞台上へ。

 

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切戸口から舞台を見るとこんな感じ。頭を低く下げ、左足から上がります。

 

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シテ方とワキ方の視点で舞台上の所作などについて解説していただきました。

 

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身分の高い人が頭を下げずに入場するために作られた「貴人口」。開いているところを初めて見ました!

 

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地謡の役割(位置)では「地頭」が知られていますが、「カドミセ」(前列の左端)、「下駄箱」(後列の右端)など聞いたことがない業界用語(?)についても教えていただきました。 カドミセは地謡全体の位置を決める、扇の所作を開始する役割の人。下駄箱はお囃子に強い人が勤めると良いとされるそうです。

 

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ワキの定位置。まっすぐ前を見ると脇正面席の観客の頭の位置より少し上が見える。つまり観客の顔が見えるということは顔が少し下を向いていて姿勢が悪いということ。

 

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お道具についての解説。蔓桶も高さを変えられたり、座面が回るものもあるそうです。

 

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蔓桶に腰掛ける光さん。

 

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揚幕を裏から見たところ。

 

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揚幕を上げるにも技術が要ります。

 

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棒の先に幕を巻き付けて高さを調節したりします。

 

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シテの気分を味わってみます。

 

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立つ位置も大事。あまり前過ぎると揚幕が演者に被ってしまいます。

 

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揚幕をあげてみます。

 

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お囃子方の気分になって入場してみます。

 

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物見窓。鏡の間から舞台や客席の様子を見ることができる窓。

 

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鏡の間。シテは一番先に装束をつけ出番が来るまでここに座って精神統一。能ではシテが一番偉いので、どんなに先輩でもここに来てシテに御挨拶しなければなりません。シテとしてここに座っている時が最も皆に優しくされる瞬間だそうです(笑)

 

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装束の間。

 

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橋掛かりを進んでみます。

 

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舞台上から見た橋掛かりと脇正面席。

 

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舞台上から見た脇正面席と中正面席。

 

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舞台上から見た橋掛かりと松。

 

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舞台上から見た脇正面席。

 

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舞台上から見た正面席。

 

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舞台上から見た切戸口。

 

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切戸口から出る時はこんな感じ。

 

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鏡板。なかなかモダンなデザインの老松です。

 

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道成寺の鐘吊りで使う滑車。セルリアンタワー能楽堂ではまだ公演での使用実績がないようです。

 

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道成寺の鐘の綱をかける輪。

 

金剛流定期能 「濯ぎ川」「二人静」@セルリアンタワー能楽堂

4月20日(日)午後13時開演 セルリアンタワー能楽堂
解説 金子直樹
狂言「濯ぎ川」 
 男 茂山千五郎 
 女 茂山茂 
 姑 茂山正邦 
能「二人静」
 シテ(女/静御前の霊)金剛永謹 
 ツレ(菜摘女)    金剛龍謹
 ワキ(勝手明神神職) 宝生閑(工藤和哉休演につき代演)
 アイ(従者)     松本薫 
 笛 藤田次郎 小鼓 森澤勇司 大鼓 亀井実
 後見 宇高通成 廣田幸稔 豊嶋幸洋
 地頭 今井清隆

○狂言「濯ぎ川」

60年前に劇作家の飯沢匡さんが作られた新作狂言だそうです。飯沢さんが大蔵流に贈られたそうで、また、最初に上演した茂山千五郎家でしか実質上演されていないとのこと。茂山家は京都の狂言方なので、東京での上演機会は少ないため今回はとても珍しいものを観られたと思います。

<あらすじ>
嫁と姑にいつも用事を言いつけられこき使われている婿がいた。川で洗濯をしていると、嫁と姑が入れ替わり立ち替わり現れて、まだ終わらないのか、愚鈍な男だ、などと罵倒し、他にもあれしろこれしろと次々と用事を言いつける。たまらなくなった婿は、やるべきことを紙に書いてもらい、それ以外のことはやらないという約束をとりつける。婿が洗濯をしていた小袖を川に流し、流された小袖を取りに入った嫁が流されて溺れそうになるが・・・。

この後の展開は想像がつきますよね(笑)

新作狂言ですが、伝統的な狂言の形式をしっかり踏襲した演目です(言われなければ新作とはわからないほどです)。とても楽しく拝見しました。嫁と姑が最強で、入り婿の立場では頭が上がらないなんて、今も昔も変わらない永遠のテーマですよね。婿が「さてもさてもわわしい女どもかな」と忌々しく言うところ(しかし嫁姑に直接は言えないところ)など、見所の男性のお客さんもわかるわかるみたいな顔して見てました(笑)

○能「二人静」

今月初めの夜桜能で観世流の二人静を観ました。
夜桜能 第三夜 「二人静」

あらすじはこちらに書きました。
琵琶と語りと夢幻の世界

本日は金剛流の宗家と若宗家の親子が二人の静を舞います。親子だからでしょうか、声質も体格も似ていて息もぴったりです。

観世流で見た時は、静の亡霊が床几(葛桶)に座って菜摘女が一人で舞う場面があったのですが、今回はなかったです。ひたすら相舞です。流儀の違いなのか演出の違いなのかはよくわかりませんが、全然違っていて面白いと思いました。観世流と同じく二人は全く同じ装束をつけて舞います。長絹の紐の色と扇の柄が若干違っていました。それ以外は全く一緒。身長差がそんなになかったので、目を離してしまうと本当にどっちがどっちなのかわからなくなりそうです(笑)

二人静はもちろん舞が見どころの曲と言えますが、菜摘女が神官に報告している最中に静御前が取り憑いて途中から急に静御前の語り口調となる場面などはお芝居として観ても面白いところです。今回は取り憑く前後で極端に声色が変わったりはしなかったのですが、変わる瞬間のタメが絶妙でした。その一瞬のタメによって、アッここで取り憑いた!と観ている者がわかるのです。すごいなぁ。

しかし菜摘女に取り憑いたのに、さらに自分自身も出てくるとは、よほど供養してほしかったのねん。静たん。(´・ω・`)

おワキが工藤和哉さんの予定でしたが休演とのことで、宝生閑さまが代演されました。思いがけず閑さまを拝見できたのは嬉しいですが工藤さんは体調でも崩されたのでしょうか。心配です。

さて、セルリアンタワー能楽堂ですが、東急ホテル内にある能楽堂です。実はこれまで御縁がなく一度も入ったことがありませんでした。こじんまりしていますがしっかりと能楽堂です。ホテル内の施設なので瀟洒な感じです。お手洗いも広くて化粧スペースも独立していて使いやすくありがたいことです。スタッフさんの対応も丁寧に行き届いていてとても気持ちが良かったです。ここで結婚式もできちゃうみたいですよ。今回初めて入りましたので、許可をいただき舞台と見所の写真を何枚か撮ってきました。