桑田貴志 能まつり「碇潜」

本日は「碇潜」(いかりかづき)という能を拝見しました。上演機会が少ない演目ではないでしょうか、ワタクシも初めて観ました。

何と言っても印象的だったのは、シテが扱う大きな碇の作り物です。写真のチラシを見て頂きますと、ピンとくる方もおられると思いますが、そう、歌舞伎や文楽の「義経千本桜」の「碇知盛」ですね。
元々能「碇潜」の翻案により浄瑠璃の「碇知盛」の段が作られましたが、この大きな碇の作り物を使う演出は、歌舞伎・文楽の「碇知盛」から能に逆輸入されたものなのだと解説にありました。へぇ~。そもそも原典の平家物語には知盛が入水の際に碇を担いだという記述はないんですよね。能で生み出された碇のイメージを歌舞伎・文楽が視覚化して、それを能も取り入れたということなのですね~。

また、「大屋形船」というお能で最大の作り物も登場しました。後見が引き廻し(周りの布)を外すと中から4人も登場してビックリ!4人は安徳天皇、二位尼、大納言局、平知盛です。二位尼が幼い安徳天皇と共に入水する場面がありましたが、安徳天皇と同じ年回りの子方が演じていることもあり、静かに船から踏み出す瞬間はやはり涙を誘いますナー。
その後、知盛が薙刀を振り回す勇壮な舞働があり、もはやこれまでと碇を頭上にかつぎ上げて海に飛び込むシーンは迫力満点で、脇正面席のお客さんの多くが体を乗り出して振り返って見るほどでした。船弁慶もそうだけど、お能の知盛って本当にカッコいいナ~。

本日は仕舞が「清経」「女郎花」で、入水に関係ある曲を集めたとのことでした。入水の理由や表現は様々ですが、なかなか粋な選曲でございますな。

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