先週4月2日(火)~4日(木)に開催され、私は第二夜を観てきました。
初日は雨天のため会場が日比谷公会堂に変更されましたが、第二夜と第三夜は、無事、靖国神社の能舞台で上演されました。
その頃巷では歌舞伎座新開場で盛り上がっていましたが、私の頭の中は夜桜能でいっぱい。初日と二日目は天気が気になって気象情報サイトを数分おきに見ては気を揉み、三日目は前夜の余韻にひたっていて、3日間全く仕事に身が入りませんでしたね~(←おバカ)
観能当日。その日は前夜からの嵐がやまず、昼過ぎまで激しい風雨に見舞われ、能舞台での上演が危ぶまれましたが、4時少し前に靖国神社で開催決定との報を受け、いそいそと帰り支度を始める私(早すぎるっつーの。笑)
<第二夜演目>
舞囃子「安宅」
狂言「文荷」
能「船弁慶」
桜の花は嵐ですっかり散ってしまったのだろうな~と半ば諦めていましたが、桜たちまだまだ頑張っていましたよ。ライトアップもされて幻想的な雰囲気。雨はすっかり上がっていましたが、風がまだかなり強かったので、時折、突風が吹き桜吹雪が濃紺の夜空に舞い、それがまた何とも綺麗でした。
最初に火入れ式がありました。靖国神社の神殿より御神火が運ばれ、松明に移されて、本舞台の左右に篝火が灯されます。
粛々と・・と言いたいところですが、マイクアナウンスがちょっと不粋だったかな。式の進行が逐一説明され、火入れ奉行を務めるお偉いさんの名前が紹介され・・おそらく後ろの人が見えにくくて何をやっているかわからないから必要なのかもしれませんが、テレビの中継でも見ているようで厳かな気分はちょっぴりそがれます。
さて、火入れ式が終わると、いよいよ舞台が始まります。
篝火は二箇所のみでしたが、本舞台と橋懸かりに電気の照明が点灯されました。それが明るすぎて、もはや薪能の雰囲気ではなくなります(笑)
最初の舞囃子では、紋付き袴に肩衣を付けたシテ、地謡、お囃子が登場。裃姿のシテが花吹雪の中で舞う様は、あたかも江戸城での儀式を見ているようでした(時代劇のイメージ。笑)能舞台の上にも桜の花びらが落ちていて、風流でしたなぁ~。
狂言には、万作さまがご登場。お年を召されていますし、年初に体調も崩されていたので、この寒さなのに大丈夫かしらん、と心配しましたが、お元気にお茶目に演じられていました。面白かったぁ。たくさん笑いました。
休憩を挟んで、いよいよ「船弁慶」です!誰が見ても何度見ても絶対に面白いキングオブザ能演目。でも毎回新しい発見があります。今日はどんな船弁慶になるのだろう?期待が高まります。
おシテは宝生和英さん。宝生流の若き宗家です。嵐に負けず若々しく元気いっぱいに演じたという印象です。
静御前(前シテ)が舞っている最中に、橋懸かりからひっそりと萬斎さまご入場。橋懸かりのすぐ側に座っていた私はついついチラ見(コラ、ちゃんとシテの舞を見なさい!笑)。あれ?何かちょっと怖い顔している?寒い!って怒っているのでは?たしかに他の演者さんに比べて狂言の装束は少々薄着な感じです。
後場がすごーく良かったです!凪いでいた海が突然荒れ始め、平知盛の亡霊(後シテ)が登場、という筋書きなのですが、本物の嵐との相乗効果満点!いまだ舞台の上に吹き抜ける強い風が演者の装束を翻しはためかせ、あぁぁ、本当に嵐の中で船に乗っているように見えますぅぅ!!
ゴォォォォォーーーという上空の風の音が、荒れ狂う海上での義経弁慶vs平家亡霊の壮絶な戦いを効果的に盛り上げます。強風が知盛の黒く長い髪の毛(黒頭)を逆立てます。強風のおかげでより恐ろしい形相の知盛、一丁上がりです!演者さんらの迫真の演技もありましたが、自然の力も手伝ってたいへんドラマチックな舞台となりました。
会場ではひざかけのレンタル、使い捨てカイロや温かい飲み物の販売、お手洗いへの速やかな誘導など、防寒に対するサービスが充実、また、無料の雨具配布、イヤホンガイドのレンタル、プログラムの客席販売など、至れり尽くせりのサービスで、会場スタッフの方々の応対もとても親切で気持ちが良かったです。
天候が荒れて寒かった第二夜とは打って変わって、第三夜は春らしく暖かく穏やかな天候の中で舞台が行われたそうです。やはり年初に病床にあった宝生閑さまもご出演なさったそうで、もうすっかりお元気になられたようですね。こうして夜桜能は無事3日間の幕を閉じました。来年こそは満開の桜の下で観られたらいいな!





























